義歯には幾つかの種類と違いがあります。 おおまかな前提として、総義歯と部分床義歯(部分入歯)とは製作の仕方も噛む能率も大きく異なります。
もちろん、総義歯の患者さんに「先生のところで作ってもらった総義歯だと魚の子骨まで、噛んでてわかる。嬉しい!」とおっしゃる方もいます。顎の状態とか入歯の使い方の上手なタイプ、入歯の使用に前向きなタイプで入歯の評価は変わります。
ただ 一般的に総義歯では食べ物を噛む固定源(歯やインプラント)が無いため入歯も作用反作用の法則通りに動いてしまいます。
入歯が動くのは原理的には容認しなければならないことですが、中にはどうしても無理だ(^^;と感じてしまう方もいます。
ここが難しいところです。 インプラントPARTでも述べているように、要は個人個人のニーズに合っていて食事や日常会話が歯(義歯やインプラントで)で可能であればよいわけです。
義歯に向く目安としては
- 食事をする咬合力という噛む力がほどほどである
- 糖尿病や狭心症など持病で外科処置を回避する必要がある
- 入歯と舌などのバランスのとり方が上手
義歯に向かないと思われるのは
- これまで口の中に義歯を入れて使ったことがなかった
- 咬合力が非常に強い
- 特に下の義歯の裏側にあるコネクターという部分の舌触りに耐えられない方
- 家族や友人の前で義歯を外したく方
もちろんインプラント治療ではインプラント体埋入のための小手術を受けなければならない「手術!」と聞いただけで震えてしまって駄目・・・という方にはお気の毒ですが、義歯がいいでしょう。
ただ、日本人の二人に一人は癌になる時代ですから、誰でも死ぬまでに数回の手術はされるはずですし、噛めないお口で食事してれば消化器に負担がかかり命を縮めるかもしれません。
またもしどうしても不安感強いなら一時的に心が安定する薬などを服用していただいたり、さらに要望あればセデーションという静脈に点滴で麻酔薬を垂らしてほとんど眠った状態で実施する手術法もありますのでよく御相談しましょう。
さて 義歯についてですが、総義歯と部分床義歯があることは述べました。
総義歯の問題点では
- 上顎の床面の厚み
- 下顎の浮き上がりがあるために話しにくいし、食事もしにくく美味しくない といった感想です。
また材質面では、義歯の構成要素であるアクリル樹脂に金属床というコバルトクロムや白金加金、チタンなどの金属補強をしたもの(自費治療の入歯)としないもの(保険の入歯)があります。噛みやすく衛生的なものは前者の自費の義歯になります。
アクリルだけでは噛みあわせによって義歯自体がたわむのでバネがかかっている歯も応力が大きくかかって抜けやすくなります。自費の義歯は基本的に自費診療を引き受けるテクニシャン(技工士)が扱うので保険義歯とは製作面で仕上がりの良さに大きく影響しているのは一般的な市場原理からすればむしろ当然かもしれません。
金属床義歯は私見でも10数年の耐用年数がありますので、決して投資に見合わないものではないと思われます。因みに保険義歯は最長でも4年・通常は2年くらいが耐用年数です。
| 義歯の | 自費 | 保険 |
| 精度 | 非常に高い | 低い |
| 食事のしやすさ | 満足度高い | あまり噛めない |
| 残存歯への影響 | ほとんど無い | 歯に負担がかかる |
| 義歯の汚れやすさ | 非常に衛生的 | 細菌や歯石が付着する |
| 耐久性 | 7-12年 | 2-4年 |
| 治療費 | 45-55万円 | 1000円-2500円(窓口負担分) |

